生きがいのある老後を…

生活の知恵
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先週の日曜日、おやつを食べてから、ちょっと近所まで買い物に行くことにしました。

夕方の風は涼しくて、さすがの酷暑も秋に席を譲ろうとしているのだな…と、しみじみと感じましたよ。秋来ぬと、目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかれぬる…の作者は、毎年思いますがすごい感性ですね…。

和歌の話はさておき、酷暑には秋に席を譲って欲しいのですが、私たち高齢者に席を明け渡すよう迫る昨今の風潮に、逆説を唱えるYouTubeを見たんです。

この番組は、先日紹介したPIVOT公式チャンネルの、エクストリーム・サイエンス内の番組で【高齢者のいる社会は「最強」だ】というトピック名のものです。

小林武彦さんという、59歳になる東京大学定量生命科学研究所教授の話がとても面白かっただけでなく、私たち高齢者にとって心強い内容だったんです。

ザックリ言うと、我々が席を譲っちゃったら、超高齢化社会では様々なことを担う人材が不足するし、我々高齢者が惨めで楽しくなかったら、いずれ老いていく今の若者達にとって未来が暗くなるでしょ…。という話です。高齢者だって若い時があったんだから、若者も高齢者自身もそれを忘れないようにね…と。

もちろん、定量生命科学という研究分野的な切り口で、進化の過程についての解説もありました。そして、「不死」は不可能だが不老についてはある程度可能性があるし、高齢者の在り方が高齢者自身の寿命を伸ばすと共に、社会全体の発展に寄与するという内容を述べられていたのです。

インタビュアーの茂木健一郎さんとのやりとりも面白かったので、早速「なぜヒトだけが老いるのか」と「生物はなぜ死ぬのか」の2冊を購入して読んでみました。

本を読んで初めて知ったのですが、「老後」があるのは、ヒト以外の野生動物ではクジラとシャチだけなんだそうです。

殆どの野生動物は、生殖という種保存の目的が達せられたり、その能力が失われると、時を置かずして命を終わらせるのだそうです。

ですから人間のように、長い老後を老化による身体的不調を抱えながら生きるということはなく、現役を退くと共にピンピンコロリと死んでしまうのが多数であるし、老いて餌を取ることが出来なければ飢えて死ぬか、又は他の動物の餌となって死ぬかという道が待っているのだということでした。

進化というのは目的ではなく結果であるという観点から、著者は一見何のメリットも無いように見える老化に対して、栄養状態や衛生環境の改善、医療技術の進歩がもたらした「望ましくない長い老後」という負の視点からの捉え方ではなく、「人にとって老いは必要なものなのです。もっと言うと、老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、『老い』のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれたと、私は思っています。」という私見を述べていました。

人生の後半を自分なりの超越した視点で達観して生きることについては、私も同様に感じていますし、今まで人生で学んできた様々なこと(何も知識ばかりではありませんよ)をアウトプットしていくことは、著者の言うシニアの「公共的な生き方」に通じると心から同意する思いでした。

高齢者たちが元気で楽しく生きている姿を(無理に見せるんじゃなくてね☝️)社会が受け止めて、普通に悲壮感なく生きていけるように変化して行くことが今後の日本の発展の鍵になるのだという著者の主張は、YouTubeの番組からも著書からもしっかりと受け取ることができました。

日本は、出生率もGDPもダダ下がりに下がっていますが、平均寿命はダントツで世界1位を誇っています。小林先生は、「この事に目を向けたら、日本はどこよりも寿命という時間で得をしてるんです。この得な時間を楽しく過ごすのか、辛く過ごすのかと考えることも、今後の生き方を大きく左右するのでは…」というような事もおっしゃってましたよ。

さあ、「もう歳だから…」なんて思わずに出来る範囲で「公共的」に生きてみませんか?

だって私達が死んだ後も、日本や世界は子供たちや孫たちが生きていく舞台なんですからね…。

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