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昨日読み終えた「食欲人 EAT」という本はとても興味深いものでした。
オーストラリアの2人の動物学者が、野生の動物たちが如何にしてベストバランスの栄養摂取を維持しているのかという研究を通して、現代人のアンバランスに陥ってしまった栄養摂取の謎を解き、肥満や生活習慣病の予防に貢献できる考察に到達したという内容のものです。
研究の端緒となるのは、農作物を食べ尽くして移動するトビバッタの研究からでした。
彼らが穀物を食べ尽くすのは、生体に必要なタンパク質を取り込もうという欲求にかられてのことだったと分析で分かったのでした。取り憑かれたような進軍の中で止まる事は、共食いの餌食となることを意味していたのです。
この研究を端緒として、食餌の中に占めるそれぞれの種が必要とするタンパク質の割合をクリアするために、他の栄養素である炭水化物や脂質の割合が多い穀物などを多量に摂取して、種が必要とするタンパク質の割合を満たそうとするという知見を得たのでした。
様々な種類の昆虫から哺乳類へ、更には類人猿へと研究と分析を続けるうちに、タンパク質摂取への飽くなき欲求が、食欲への引き金となっているという結論に達したのです。
ここまでは、何となく想像できますよね。タンパク質含有量の低い糖質や脂質の高いものを食べていると、タンパク質の割合を満たす為に食べ過ぎて、結果肥満を招くってことをね…。
だから最近では、出来る限り糖質を抑えた、低糖質高タンパク食をダイエットのみならず健康のために勧める書籍や学説もあります。
でも、この人達の綿密な栄養分析とその研究によると、低糖質高タンパクの食事は、生殖能力は高めるものの寿命は短くなるという結果が出ていたのです。
反対に高糖質低タンパク食は、生殖能力は落ちるものの寿命を伸ばすことがわかったというのです。
長生きするためには糖質多めの食事を摂って、ぽっちゃり型の体型の方が有利だって結果が出たんですよ!
え?そうだったの〜?
糖質って、少なければ少ない程良いんじゃなかったの?って感じでした…💦
でもね。糖質多めが良いのね…と、ほくそ笑んだそこのあなた!
糖質って言ったって、お菓子やパンやスナック、ましてやカップ麺なんかじゃないんですよっ!
大切な食物繊維を含む、全粒の穀物や野菜、果物のことなんです。
食品会社が作る、低タンパク(タンパク質のものは原価が高い)で原価の安い糖質や高脂質で食物繊維ゼロの、超加工食品(カップ麺とかデザートケーキ、スナック菓子なんかの類)は、依存性のある添加物が加えられていたりするので、現代の生活習慣病を招く悪い低タンパク高糖質食なんです。
研究によると、塩辛く旨みのあるものが食べたい時は、身体がタンパク質を欲しているサインだそうですが、そんな時にタンパク質の持つ人工的な旨み成分をつけた塩辛いスナックなんかに手を伸ばしては、絶対にいけないそうですよっ!
この超加工食品の害は、南太平洋の島々やヒマラヤの僻地にまで及んでいて、元々健康だった人々の食習慣を変化させ、現代病の肥満へと導いているということです。
塩辛い物が食べたくなったら「タンパク質が足りないのね…」と思って、スナック菓子に手を伸ばすのではなく、次の献立に肉や魚や卵を加えましょうね。
因みに65歳以上の高齢者は、他の世代の人達に比べて、より多くのタンパク質(消費カロリーの20%)を必要としていると書かれていました。
興味のある方は、読んでみて下さいね。