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47年前、結婚後2年ほど住んだ小金井のマンションでは、同年生まれの子供達が10人いたという子育てには恵まれた環境でした。
当時は珍しかったメゾネット形式で、半地下と1階・2階と3階という構造でした。かなり洒落た造りでもあり、当時では高価だったのではないでしょうか…。
住んでいる人達の殆どが、商社や銀行やTV局勤務、医師の方などで、同じ生活水準の人達であったと思います。
そんな時、問題になるのは「見栄の張り合い」ですよね。
でも、その頃(時代だったのか?)のマンションの友人達の間では、いかに家事を能率良く済ませることができるか、料理やお菓子を作る能力が高いか、家の中を素敵に整えることが出来るか、という点に競い合いの焦点が絞られていたんです。
これは今考えても、新人主婦にとって素晴らしい環境だったと思いますよ。
何故なら、朝起きて窓のブラインドを上げると、すでにお隣の先輩ママは部屋を整えて掃除をしていたんですからね。
テキパキと立ち働く家の中の姿を見て、我が家も…と思うのはごく自然な流れだったと思います。
本当に良かったと思います。もちろん、実家でもダラダラとした環境ではありませんでしたが、そうはいっても結婚前は、掃除や洗濯はお手伝いさんが担っていたので、自分が全てをするようになったのは結婚後のことだったからです。
別に、母親からも主婦はどうすべき等と言われることもありませんでしたし…。
ですから、毎朝覗き見るお隣の奥さんの立ち働き方や、ほぼ同年代の友人達との交流を通して、「素敵な主婦」の具体像を作り上げて行ったというのは過言ではないと思います。
家事をテキパキと片付け、余裕がある様子で子供を遊ばせながら交流をする…
時には互いの家を訪れて、お菓子やランチを食べお喋りをする…。
こんなことは、家が散らかっていては出来ませんし、小洒落たランチやデザートを作る手腕も必要ですよね…。
今考えると、時間的に無理をしたり、メニューを増やしたりと、家族に対しての努力というよりは外に向けた見栄に近い努力であったと思います。
その頃の、素敵な主婦としての友人たちにも、少なからずそんな側面はあったのではないでしょうか?
でも、この見栄の張り合い?が、私の主婦力を育ててくれたのです。インテリアや食器の趣味など、洗練された物を互いに披露しあうという経験を通して…。
これは、素晴らしい方向性であったと思います。
プラスチック製でハンドル付きの、足蹴りで進む車を10人の子供達がガラガラと大きな音を立てて、マンションのグリーンベルトをぐるぐる回り、その周りのベンチで、誰かしら数人が子供達を見ながらお喋りをする。
その頃、マンションにはお年寄りも住んでいらっしゃいましたが、誰1人として騒音に文句をいう方はいらっしゃいませんでした。
万事がおっとりとしていた時代だったのでしょうね…。
隣接した多磨墓地からは、夏の早朝にはカッコウの声がしていたんですよ!
そんな朝は、洗濯物を早々に済ませて、近所の三井物産のプールに皆んなで出かけていました。
夕立にあって、干していた洗濯物を洗い直すハメになったり、「布団ダメになって捨てたわ💦」と言った友人もいたりしました。
マウンティングなんていう、類人猿の行動用語が当てはまるような人は、今よりもっともっと、ずっとずっと少なかったように思いますよ…。
ね、見栄だってハサミと一緒で使いようじゃないでしょうか?