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以前、「自分って…」って悩んでいた生徒さんのことを、記事に上げたことがありましたよね。ブログのことは彼女も知っていて、読んでいてくれているのです。
そんな彼女ですが、先週、彼女のお母様から、英語の授業を2度とも無断欠席したとの連絡が担当教務に届いたという相談がありました。
学業がうまく行っていると思っていたので、大変驚いて数学の授業を始めようとブースに入ると、十字を切っている彼女がいました。
授業前の話は聞かなかった風にして、「何やってるのよ?」と聞くと「先生聞いたでしょ?」というので知らんぷりも出来ず、「一体どうしたのよ?、連絡帳書き直したりして…。ハンコまで買ったんだって?」と聞きました。
すると彼女は、「え?、連絡帳なんて書き直していないし、ハンコも勝手に押してなんかいない…」というのです。
「そうよねぇ、この日付は前の週の物だわよね…」と、確かめた私もそう思いました。ハンコまで偽造するなどと思い込むなんて…と、お母様に対して少し腹立たしく思ってしまいました。
彼女がぽつりぽつりと話し出すことによると、今週の始め頃から少し気持ちが落ちて来て鬱っぽい感じだったそうです。
元々男性の声が苦手で、コンビニなどでも女性店員を選ぶなどしていたのですが、気持ちが落ちている時はそれが余計に強く出るので、人混みが辛かったり塾に着いて皆の視線を浴びることがとてもできなかったというのです。
勉強中も音楽ばかり聞いているという話でしたが、以前読んだ本によると、外からの人声を遮断したい時にヘッドホンを使う場合があるということも書いてありました。
気持ちが落ちていたので男の先生の授業が辛かったのと、塾の入り口での視線に打ち勝つことができなかったというのが、無断欠席の訳だったそうです。
私は、授業後に面談をするという担当教務の先生に、事の詳細と今までの状況を伝えることにしました。
「それは辛かったわね…。それを悪知恵だなんて思い込むなんて…」という私に、「ううん、今までそう思われてもしょうがないことしてきたから…」と彼女は言いました。
「でもね、先生。私、お医者さんに診てもらうことに決めたんだ」と言うのです。
「それは良かった。お母様と一緒に行くのね」と言うと、「ううん、1人で行くの。調べた所に行く」と言うのです。
「精神科のお医者さんは相性もあるし、薬を処方する場合もあるから、絶対に親御さんといかなきゃダメよっ!」と私は強く言いました。
「大丈夫、カウンセリングの所に行って、どんなものか診断してもらうだけだから。自分が何でそうなるのか、知りたいだけだからなの」と彼女は言うのです。
そうかもしれないな…、と私は思いました。このままじゃ、自分が何でそうなるのか分からずに、どんどん自分に自信が持てなくなって来るからだと言うのです。
自分で調べて、たった1人で現実を受け止めようとする彼女に、その悩みがどれほど深かったのかと、改めて思い知らされました。
「でも、絶対に約束してね。薬を処方する話になった時は、必ずお母様に相談しなさいよ。そうでなければ、絶対に受けてはダメですよ。先生がお母様だったら、絶対に許さないからね」と重ねて念を押しました。
今週、私の休んでいた日に、彼女が教務担当の先生に、明るい顔で診断結果を伝えてきたとのことでした。
軽いASD傾向であるとの診断と、鬱症状は自分に対するこうあらねばという強い思いが招いているとの診断だったそうです。
自分の状況の原因が分かった事と、自己肯定感の低さに気づけたことが、彼女の気持ちを明るくさせたのではないでしょうか…。
孫子ではありませんが、敵を知り己れを知れば百戦危うからずと言いますからね…。
彼女が自分を認めることができるよう、見守っていきたいと思っています。