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「帰ってきたわよ!」その電話は、成田から届いた1本の電話でした。
年下の友人から届いたその電話は、一時帰国ではなくて赴任先からの帰国を知らせる電話でした。
「なぜ?成田についたばかりなのに…」という私に彼女は、「心配だったから…」と答えたのです。私は胸が熱くなりました。
離婚を前にして、表面は明るく前向きに見せてはいたものの、この先の見通しも立たず不安で一杯だった私の内心を、彼女はさりげなく支えてくれたのです。
年下でありながら、いつも落着いて節度のある付き合い方をする女性で、私は常々尊敬の念を持っていましたが、ここぞというときに見せる巧まざる優しさは、彼女の心の美しさを感じさせるものでした。
息子を亡くした時もそうだったのです。いつもなら必ず予定をすり合わせて訪れる人であるのに、その時は連絡を聞いて1時間もしないうちに、沢山のサンドウィッチを手にして、もう1人の友人と共に訪ねて来てくれたのでした。
「食べ物を買いに行く時間もないと思って…」その時も、彼女はそう言いました。
1本の電話、突然の訪問。この先の人生で、私にもこのように心からの優しさを人に届けることが出来るのかと、思い出すたびに考えています。