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今から60年以上前の中学受験の時、理数科目の補強のために、御茶ノ水にある理数専門の塾に行っていました。
その塾で、理科を教えていた講師の先生がとても面白い先生で、何を教わっていたかの具体的な記憶は全く残っていないのですが、とにかく、毎時間大笑いをしていた思い出が鮮明に残っています。
「MASK」に出ていたジム・キャリーのような、少し顎のしゃくれたスダレハゲの先生でしたが、いつもお洒落な、パリッとしたスーツに蝶ネクタイを締めている先生だったのです。
ある時、多分、消化器の働きか何かの単元だったと思うのですが、「君たちの中で、ご飯の方が好きな人は?」と言う質問をしたのです。
その頃私は、バターを塗ったトーストが大好物だったので、手を上げませんでしたが、何人かの人がご飯が好きな方に手を挙げました。
すると先生は、黒板に大きな字で「製糞機」と書いてこう言いました。
「君たちみたいにご飯の大好きな人のことを、製糞機というのです。何故ならば、糞という字は米が異なると書くじゃないですか…。米には栄養として消化吸収されない成分があって、それが大腸で便の素となって体の外に出てしまうからなんです。それに比べて、精製された小麦粉で出来たパンには、無駄なものがありませんから優れた食物なんです」
それを聞いた私達は、涙が出るほど大笑いして、互いを指差し「製糞機!製糞機!」と言い合いました。
その頃の栄養学では、食物繊維の持つ大切な働きなどについては、未だ知られていなかったのだと思います…。
それと同時に、戦勝国である欧米に対する憧れが、モダンな先生にそう言わしめたのかもしれません。
米が異なる…。製糞機…。
しかし今思い出しても、理科の先生にしておくには惜しい感性であったと言えませんか?
願わくば、あの先生が大腸癌になられずに天寿を全うされましたことを…。
今、私はイヌリンなるものを摂取して、せっせと製糞に励んでおります(笑)