銀座の美術出版社勤務

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思い起こしてみたら、私、色んな仕事に結構トライしていたのだと思います。

ラヂオプレスと同時期に、銀座にある美術雑誌の出版社にも応募していたのですが、こちらは何とか私の記憶と会社の認識にズレがなかったので、入社テストを受けて合格しました。

9月からの出社で、折しも台風と美術展の開催シーズンが重なったので、大雨に降られながらの都美術館詣でが連日繰り返されました。「雨が降ったら延ばさない?」というランチの約束とは違って、仕事ですから重装備で出かけざるを得ませんでした。当たり前かもしれませんが、仕事ってこういう物なんだと実感した次第です。

それぞれの美術展で受賞した方や、自分が気に入った作品の制作者の方に電話をして、広告料と引き換えに雑誌への掲載を依頼する営業を担当しました。美術鑑賞は好きでしたので、明治・大正期までの日本や海外の美術家については良く知っていたのですが、近年の美術への知識は限られたものでしたので、電話営業をした相手が実は近年の日本画の大家で、編集長に叱られたなんてこともありました。

この仕事は4年ほど続けて、銀座の画廊回りや美術展巡り、毎月の記事を書く為の取材など、面白くてためになる経験をたくさんした上に、安くて美味しい銀座ランチに精通したのです。

この職場で、私はPCにスウィッチを入れて立ち上げるだけの能力から、Wordを使って文章を書き写真を貼り付ける技術を身に付けました。仕事場の友人とは未だに連絡を取り合っています。

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