他者の視点で…

生活の知恵
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以前、学会事務局で仕事をしていた時、学術大会が京都大学の担当で開かれた時のことです。

学会開催中、事務局は入り口での専門医登録や年会費受付などの業務の合間を縫って、聞きたい講演があれば会場で聞くことも出来たのです。そこで私は、「現代社会とスピリチュアルケア~マインドフルネスとスピリチュアリティの視点から~」という演題の教育講演を聞くことにしました。

演者の先生は、当時高野山大学の教授を務めていらした、井上ウィマラ先生という瞑想の第一人者の先生でした。マインドフルネスという瞑想方法は、現在も一般的に行われている瞑想方法ですが、当時は今よりも熱狂的にもてはやされたものだったのです。Appleの創業者のスティーブ・ジョブズを始めとして、シリコンバレーの開発者達や企業がこぞって取り入れていた瞑想だったのです。

ただ、当時一般的に言われていたこの瞑想法のやり方は、呼吸に意識を合わせるとか、浮かんでくる思索をそのまま受け止めるとかいうものばかりだったのです。早い話が、「言ってる事は分かるけれど出来ないよ」というものでした。

ところが、講演の中で井上先生のおっしゃった”他者の目”という表現はとても良く自分の中に落とし込まれたのです。「パースペクティヴ」つまり第3者の目で自分を観察してみるというのです。

具体的には、自分の後頭部の50cm上のあたりに自分がいると想像して、その自分が下にいる自分を観察するというやり方なのですが、却って分かり難いでしょうか?他人の目で自分を理解するといった感じなんですよ。「あぁ、今もぞもぞしてるな…。飽きてきたのかな…?」なんていう風に自分自身を観察するんです。他者の目つまり他人の視点で自分を見てみると、自分の感情と自分を切り離してみることが出来るので感情の大波に飲み込まれることがなくなり、自分の精神を癒したり精神の危機から自分自身を救う事が出来るというお話だったのです。

どうですか?普通、自分の感情と自分自身は、分離不可能な一体のものだと思っていますよね。

でも、そこを切り離して他者の目で見ることによって、怒りや絶望や悲しみの感情に自分自身を塗りつぶしてしまうことが無くなり、最終的には自分の魂の癒しや救済につながるというような趣旨の講演であったように記憶しています。

でも5年も前の事ですし、私の乏しい理解力に因るものですので、講演の内容を正確に把握したものではないのかもしれません。ただ、私の精神コントロールには確実に役立っています。

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