私の仕事始め

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このままでは、離婚しか出口はないのではないかと、うすうす考え始めたのは50代の始め頃でした。

しかしプロフィールでも述べたように、大学を出て間もなく結婚した私には、社会に出て仕事をした経験が皆無だったのです。使う事は知っていても、稼ぐことは知りませんでした。息子には、おふくろのような職務経験のない中年が、自給1000円以上の職場を探すこと自体世間知らずだと言われました。

息子への反発心から、自給1000円以上未経験者OKという募集を探して、テレフォンアポインターという職種にたどり着いたのです。PCの操作も知らず、初めて飛び込んだ仕事だったのです。仕事内容は、支払いの遅れたクライアントに丁寧な言葉でお知らせをするというものでした。

ここで初めて、PCのスィッチを入れ、ディスプレイ画面の内容を読み取り、次々と現れる履歴に従って電話をかけては、守秘義務に従って内容を伝えていくという仕事に触れました。

始めは緊張と目の疲れで、4時間ほどの勤務が終わるとどっと疲れが押し寄せてきました。けれども職場環境はとても良く、バレンタインデーの時などは、アルバイトの女性たちが少しずつお金を出し合って男性社員にチョコを贈り、ホワイトデーには、社員の人たちからのお返しがあるといった雰囲気だったのです。

この仕事を通して私は、たとえ一流企業に勤め沢山の給与を手にしていても、それを上回るお金を使っていれば破綻するのだという事実に触れました。

そんなこと常識ではないかと思いますか?あまり賢くなかった私にとっては、驚くほどの学びだったのでした。この職場でパソコンの使い方の初歩を、お金を頂きながら私は学んだのです。

この職場をやめる時、職場の方々からは、francfrancのお洒落なランプを頂きました。

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