仏陀の教え

生活の知恵
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先日お喋りをした友人が、「今まで大変な思いをしたことも沢山あったけれど、いつでも、こんなことはいつまでも続くことじゃない!必ず終わりがくるんだからって、自分に言い聞かせていたのよ」と言っていました。

彼女は離婚後女手一つで二人のお子さんを育て、それぞれ大学と大学院まで卒業させた女性です。「なぜだか良い人とのご縁に恵まれて、運が良かったからだと思うわ…」と言いますが、幸運や幸せとは彼女自身の思いが引き寄せた結果ではないかと思いました。

なぜなら彼女の言葉を聞いて、私は年末に読んだ「ブッダ伝ー生涯と思想 中村元著」の最後の章を思い出したからです。

ブッダは80歳の時、鍛冶工が捧げた食事にあたって病に倒れます。そして、最期を迎える時の説法として次の言葉を語ったのです。

そこで尊師は修行者たちに告げた。―「さあ、修行者たちよ。お前たちに告げよう。『もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい』と」これが修行を続けて来た者の最後の言葉であった。『マハーパリニッパーナ・スッタンタ』出典

ブッダは、この世のものはすべて移り変わる。だからこの真理(何一つ変わらないものはないということ)を悟って、形而上学的(普通の人には難しくて理解しがたいってことね)な教義に縛られるのではなく、正しくシンプルな真実の道を怠りなくつとめ励みなさいと言ったとのことです。これは、最後の説法として有名な言葉だそうで、ブッダ自身も修行者としての人生であったということでした。

また、自分は宗教の教祖ではなく生きる道筋を教えるだけの修行者であり、その道筋を通って幸せになるか否かは、道を聞いた本人がつとめ励むか否かにかかっていると教える実践主義者であったと言われています。

私は素晴らしい人間ではさらさらなく、迷いとか欲とか妬ましい思いが、頭のてっぺんからつま先まで詰まっている人間ですが、明けない夜はない!という思いで日々を過ごしてきました。

皆さんだって、長いこと生きて来られれば、いくつかの辛い思いをされてきたことでしょう。

でも、明けない夜はない!そんな思いで耐えているうちに、いつの間にか慣れていくだけではなくて、楽しいことさえ見つけられる毎日に変わっていったのではないでしょうか?

私も、そうやってひとつ、また一つと乗り越えていったような記憶があります。

すべての物事は、良いことも悪いことも移り変わっていくのですから、良いことに執着せず悪いことを嘆きすぎず、日々黙々と楽しんで生きてゆきましょうよ…。みんなでね。

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